「エキストラヴァージンオリーブオイル」と「オリーブオイル」の違い

よくある質問その1

「エキストラヴァージンオリーブオイルと普通のオリーブオイルの違いは何ですか?」


明らかに違いがあります!

そもそも「普通のオリーブオイル」という言葉もちょっとおかしいのです。

それぞれいったいどのようなオリーブオイルなのかを説明したいと思います。


・エキストラヴァージンオリーブオイル

「ヴァージン」と名の付くものは、EUの法律で以下のように決められています。

‟ヴァージンオイルとは、オイルを変質させないぐらいの熱条件において、洗浄・沈降分離・遠心分離・濾過以外の処理は一切受けず、機械的もしくは物理的工程を経てオリーブから抽出されたオイルのこと。”

ここでオイルの作り方を説明するとあまりに長くなりますので、要するにオリーブの実を搾って油分だけを分離させた状態ということです。よく言われるのは「オリーブオイルはオリーブのフレッシュジュース」という言葉。まさにそういう状態なんです。

ですが、フレッシュジュースで出てきても、状態の良くないものだってありますよね。

例えば腐ったオレンジを搾ったジュースは絶対飲みたくない。

そこで、上記の「ヴァージン」の方法で抽出されたオイルを、化学分析にかけて酸度などを計り、鑑定士が知覚分析をして香りや味わに欠陥がないかを判断して分類するわけです。

勘のいい方は分かったと思いますが、その分類で、化学分析・知覚分析において一番良い状態のカテゴリーを「エキストラヴァージン」といいます。

エキストラヴァージン酸度は0.8%以下、欠陥は「0」と決められています。

そして、香りや苦み辛みの強さ、フルッタートと呼ばれる果実感はオリーブオイルではポジティブな感覚になります。エキストラヴァージンはこのフルッタートが「0を超える」でなければいけません。細かい決まりごとは他にもたくさんあるのですが、欠点がなく「本物の」オリーブオイルの香りや味わいを持つオイルがエキストラヴァージンオリーブオイルで、香りのない、もしくは欠陥の香り(臭いと言ってもいいですが…)を持ったオイルはエキストラヴァージンオリーブオイルではない、ということがお分かりいただけたのではないかと思います。


・オリーブオイル

では正面ラベルにただ「オリーブオイル」と表記されているものはいったいどのような分類に入るのでしょうか。

はっきり言って、かなりの加工を施してあるのが「オリーブオイル」です。

エキストラヴァージンオリーブオイルの項で、「例えば腐ったオレンジジュースは飲みたくない」、と説明したように「ヴァージン」と名の付くオイルは、残念ながら知覚分析で欠陥が認められるものや、化学分析の結果、酸度が高かったりなどして、口に出来ないオイルが出来上がってしまう場合があります。このようなオイルは精製加工をして販売しなければならないとEUの法律で決まっています。

おおまかな工程としては、

脱ガム処理を行い→主に溶剤を使用して酸度を下げる→脱色→約200℃の高温で加熱し脱臭→固形化した油脂を取り除く⇒精製オイルの完成

となります。

エキストラヴァージンオリーブオイルは「オリーブのフレッシュジュース」という例えがありましたが、精製オリーブオイルに関しては溶剤などの化学物質添加や高温加熱処理を経て、どう考えても「ジュース」の状態ではないのがわかります。精製オリーブオイルは健康被害を及ぼす油ではないと言われてはいますが、オリーブの実から抽出された本来のオイルとは全くの別物になってしまっているのですね。この精製オリーブオイルに規定のヴァージン系オリーブオイルを添加したものが「オリーブオイル」というものになります。


なぜ、

「エキストラヴァージンオリーブオイル」には香りがあって

「オリーブオイル」は香りがないのか、

「エキストラヴァージンオリーブオイル」は値段が高くて

「オリーブオイル」は安いのか、

「エキストラヴァージンオリーブオイル」にはしっかりと(わずかでも)苦みや辛みがあって、

「オリーブオイル」にはないのか、

この違いをみれば納得です。

香りや苦みは、本来のオリーブオイルとしての最も重要な成分で、オリーブオイルが健康に良いと言われる理由の一つはこの成分のおかげです。

ちなみに、あまり変わらないと言われる部分は脂肪酸の含有量です。ですからエキストラヴァージンではない「オリーブオイル」はコストが安くて加熱に向くと言われるんですね。

エキストラヴァージンは生で、とよく聞きますが、いえ、生で使うなら自然なエキストラヴァージンしか使いたくないというのが私の考えで、私の場合は加熱にも、いや加熱こそエキストラヴァージンを使います。なぜかというと…これはまたの機会に!勿論、生で使うのも大好きでたくさん使っています。

今までの説明を読んでいただいて分かるように、オリーブオイルの分類はこの2つ(エキストラヴァージンオリーブオイル・オリーブオイル)以外にも分類がありますが質問内容の答えを分かりやすくするために今回は省略しました。

他にも日本とEUとのオリーブオイルの規定の違い等、あれもこれもと注釈をつけると大変なページ数になってしまうので笑、できるだけわかりやすく書いてみました。

色々と気になるワードもあったのではないでしょうか?

欠陥って?鑑定士って?苦み辛みがポジティブ?脂肪酸?このあたりも少しずつまた書いていきたいと思います!

まずは「エキストラヴァージンオリーブオイル」と「オリーブオイル」の違いについてでした。

 ↑↑↑オリーブの果肉からオイルを取ります♪

Ponte miYa

兵庫県西宮市北部オリーブオイル販売・オリーブオイル講座・手打ちパスタ教室

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