オリーブオイルはどのようにできる?
よくある質問その2
「オリーブオイルはどうやって作られますか?」
オリーブオイルはオリーブのフレッシュジュースと言っても過言ではないと前回お話しました。実際、原理は同じですが、ミキサーでガー!はい終わり~!ではありません(笑)。
今回申し上げる「オリーブオイル」は特に説明がない限り「オリーブの実から搾った油の総称」であることにします。えっ?なになに?どういうこと?と思った方は前回の「エキストラヴァージンオリーブオイルとオリーブオイルの違い」をご覧くださいね。
オリーブオイルを作るには様々な方法があります。
注意したいのは、作り方は一通りではないということ。それから、オリーブオイルの製造方法は進化し、変化し続けているということ。
ですから、これから紹介する製造方法が全てではないということを忘れないでいただきたいです。
まず、オリーブオイルがオリーブのジュースといわれる理由の一つは、種ではなく果肉からオイルを抽出することにあります。厳密に言うと種にも1~2%の油分が含まれていますが、その量はわずかで、果肉には20%前後の油分が含まれているんです。油といえば種から取れると思いがちですが、オリーブオイルはオリーブの果肉なのです。
摘んだオリーブの実を搾油所に持って行って、オリーブオイル製造が始まります。
大まかな流れは…
送風機で葉を取る
↓
水で洗浄
↓
オリーブの実をつぶす
↓
練り込み
↓
抽出
↓
遠心分離で清澄
↓
フィルターにかける
↓
瓶詰
しつこいようですが、これはかなり大まかな流れで、一つ一つの工程に様々なやり方があり、様々な機械が存在します。その中でどれを選択するか、または省くか、など生産者によって違うのでオリーブオイルの作り方は一つではありません。
ただし、偽造品でない限り共通する点はあります。オリーブの実から出来るジュースであるということは、化学的なものは一切添加していないということです。これは前回もお話した通り、EUの法律でも決められています。
とはいえ、上の大まかな製造の流れを見ても、「オリーブの実をつぶす」ぐらいまではまぁわかるけど「練り込み」って??実をつぶしたらオイルが出てくるんじゃないの?という意見も聞こえてきそうです。
実はこの練り込み作業、オイルを抽出するためにとてもとても大事な工程なんです。オリーブの実をつぶし終わった状態では、まだ油分はそのペーストの中で粒状にばらばらと散らばっている状態です。このペーストを練り込んでいくとその油分の粒同士がくっついて油分のかたまりができ、オイルを取り出しやすくできるのです。
しかも!この練り込み工程でオリーブオイルのポジティブな香りが引き出されやすくなるとのこと。
とっても大事な作業ですね。
オリーブオイルを作るための機械は、抽出までの工程を連続して出来るものがほとんどですが、温度帯やその工程にかける時間などは作り手が調整しますし、お手入れが行き届いていないと欠陥オイルが出来上がる可能性だってあります。
どれだけ空気に触れないようにするかもオリーブオイルを作るときには大事なポイントです。酸素に触れたら酸化のリスクが高くなるからです。
一つ一つの工程で、欠陥オイルになる危険をどれだけ回避できるか、その危険を回避しながらどれだけ素晴らしいオリーブオイルを作れるかが、オリーブオイル製造に様々な方法が存在する理由だと思います。
分離の方法にはこんなのやあんなのや、ペーストにするときはこんなのやあんなのや、抽出の仕方もこんなのやあんなのや、フィルターにはかけたりかけなかったり、搾りかすの行方、こうだと欠陥オイルになる…などなど、今回はグッと堪えてシンプルにお伝えしました。
忘れてはならないのは、オリーブの実の質が良くないと意味がないということ。
そうでないこともあるのですが(!?)、質の良い実でこそ、ジュースにできるというものですよね!
次回は「オリーブオイルの敵」についてお伝えしたいと思います♪
お読みいただき、ありがとうございます!
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