オリーブオイル、魅惑の微量成分

前回「オリーブオイルの敵」についてお話しましたが、では、オリーブオイルが体に良いと言われるのはなぜなのでしょうか。

どんなふうに体に良いかは、素晴らしいことにたくさんありすぎるのと、日々その健康効果の研究が進んでいて今後さらに発見される効果を期待する気持ちもあるので、少しずつご紹介していくとして、オリーブオイルは何が体に良い影響を与えているのかを今回は、いや今回も簡単に書いていきたいと思います。

まず、オリーブオイルの主成分は、当たり前ですが脂質です。

本題とは少しそれますが、脂質は動物性と植物性、それから人工的に個体化した加工タイプに分類できます。

液状で流動性のある脂質は「油」と書き、個体のものは「脂」と表現します。

例えばバターは牛などのミルクから作られるので個体で動物性、菜種やゴマ、米等無限とありそうですが植物から取れる油は液状で植物性です。植物でも個体はあります。カカオ脂やヤシ脂などがそうです。加工脂は、マーガリンやショートニングが代表的です。

となると、オリーブオイルは液状で植物性ですね。

オリーブオイルの大部分を占める脂質、これを構成している1つは、ざっくりいうと脂肪酸です。

もっと言うとこの脂肪酸はグリセロールとエステル化することによりトリアシルグリセロール(トリグリセリド)を構成していて、これが食用油脂の主成分でもあるわけです。

うーん難しそうな話ですね。

でもこの脂肪酸がとても重要なんです。

オリーブオイルの脂肪酸は、健康に良いと言われる一つ目のカギなのです。

けれどこの一つ目のカギはオリーブオイルの素晴らしさの序章に過ぎない。脂肪酸の種類をそれぞれ列挙するのはさけて、これもざっくり説明したいと思います。

オリーブオイルが健康に良い、という話題には大概出てくる内容ですが、オリーブオイルに限らず油脂全般には様々な脂肪酸が存在していて、油脂の種類によって主要となる脂肪酸が違います。

それによって摂りすぎ注意とか、血液サラサラとか、これは加熱に向くとか向かないとかいう話題になりやすいんです。

そしてズバリ、オリーブオイルは加熱に強いのです。

何故かというと脂肪酸です。

オリーブオイルの主な脂肪酸はオレイン酸で、全体の脂肪酸のうち70%前後も含まれています。オレイン酸といえばオリーブオイルと言っても過言ではありません。

オレイン酸は脂肪酸の中でも熱に強く煙火点が高いので揚げ物にも最適です。一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸の脂肪酸構造がそういう構造なのです(ザックリ^^;)。

そして人間の体では作ることの出来ないリノール酸やリノレン酸も含んでいるので程よく必須脂肪酸も摂取できるというわけです。

オレイン酸は様々な健康効果が期待されています。

悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロールは下げないという、人間にとってなんとも嬉しい働きをしてくれます。 これによって、様々な生活習慣病の予防につながるわけです。

便秘解消にも役立ったり、良い事づくめの脂肪酸なのです。

とはいえ、脂肪であることは忘れずに過剰な摂取は注意です。どんな脂肪も摂りすぎ注意だと思いますが、勿論、人間の細胞形成に脂肪は欠かせません。

食事は何時もバランスが大事ですね!

さて、ここからです。

二つ目のカギがオリーブオイルの脂質以外の成分です。

植物油脂全般に言えることですが、脂質は全体の約99%を占めています。

オリーブオイルは、脂質以外の残りの1~2%の成分も、とても大事な役割を持つことが分かっています。この微量な成分はオリーブオイルにとんでもなく様々な影響を与えています。

まず、オリーブオイル特有の香り

オリーブオイルは香りがあってこそオリーブオイルですが、それはこの微量成分があってこそなのです。

そして、この成分のおかげでオリーブオイルは植物油脂の中でも酸化しにくい油なのです。

ビタミンEを持つトコフェロールや、ポリフェノールに代表されるようなフェノール類などの、酸化を防ぐ天然の抗酸化物質が含まれているからです。

オリーブオイルに苦みや辛みが感じられるのはこのフェノール類の成分によるもの。苦みのしっかりしたオイルは保管に強い傾向にあります。

また、ピリピリとした辛みにはイブプロフェンと似たような抗炎症作用があるとまで言われています。(欠陥オイル特有の辛みというものもあるので、欠陥の辛みとは区別しなければなりませんが)

オリーブオイル好きの人はこの1~2%の部分に魅了されているようなものではないでしょうか。

もちろん私も!

さらにはスクワランクロロフィル…他にも様々な成分がこの微量成分に含まれているんです!あまりに多すぎて、全て列挙しきれないぐらいです。それに研究段階の部分もたくさんあるようなので、これぐらいにしておきましょう(笑)。

この微量成分はどうやって生み出されるのか。オリーブの木が、適度な乾燥のストレスから身を守るために自ら生み出した成分だと言われています。我々はその恩恵に与っているということなんですね。

そして何より、この微量成分である香りや苦み・辛みは料理を美味しくしてくれて人々の食生活をとても豊かにしてくれます。すごいですね!


ただし、そこは自然の産物。無敵ではありません。加熱に強いオリーブオイルと言われていますが、過度な加熱はやはり酸化を促しますし、煙が出るようなレベルまでいくとオイルそのものが変質してしまうのも当然だと思います。また、加熱する前のオリーブオイルの状態にもよるでしょう。

オリーブオイルの素晴らしさだけが広まって、どうすればこの素晴らしさを維持できるかについてはあまり言われることがないのが現状です。

詳しくは前回の投稿「オリーブオイルの敵!」をお読みくださいね。

大事なことはオリーブオイルが薬ではないということ。

劣化したオイルを摂取していると、もちろん体も劣化します。良いことはありません。

必ず良質なオリーブオイルを使うようにして下さい

また、薬のように、健康に良いから…と初めてのオリーブオイルを飲み始めて苦手だけど頑張って毎日飲んでます、という使い方はちょっと損してるかも…なんて思ってしまいます。

私にとってはお料理を美味しくしてくれて、しかも健康に良い魔法のオイルです。

良質なオリーブオイルはお料理を数倍にもランクアップしてくれます。

これぞ、オリーブオイルの腕の見せ所というもの。

せっかくなら美味しく楽しみたいですよね。

しかも、口に入れるだけではない、他にも活用方法がある万能オイルなのです。

この話もまたいつか。

お読みいただき、ありがとうございました♪

Ponte miYa

兵庫県西宮市北部オリーブオイル販売・オリーブオイル講座・手打ちパスタ教室

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